上田 宗重さんのメッセージ

リタイヤからはじまった100km完歩
上田宗重

 95km地点でリタイヤ。これが昨年の結果でした。30km地点あたりで足のマメがつぶれ、40km地点あたりで足が上がらなくなり、60km地点あたりで寒さに震え、精神力だけで到達した95km地点では時速1kmに。これではとても10時に間に合わないという状況でした。身体はボロボロで、しばらくは「また挑戦しよう」などとは考えもしませんでした。
 しかし、日ごろから運動をしていない私にとっては、数キロ歩くぐらいならいい運動の機会になり、妻からウォーキング大会への出場を勧められたこともあり、100kmはともかく、歩くことを再開しました。100kmへの思いを新たにしたのは、尾道から今治まで、しまなみ海道の80kmを2日に分けて渡り切った時です。1日で歩き切ったわけではありませんが、80kmの距離から「100kmも行けるかも」という思いが芽生えたのです。
 リタイヤの反省やウォーキング大会への参加から、100km完歩に向けた方策が見え、その実践により、今回、完歩することができました。次回参加される方の参考になればと思い、列記します。

◎体力
<昨年>練習会や自主練で“時速7kmで1時間歩く”を実践していました。
<課題>100km本番、はじめのうちはスピードも出て好調でしたが、距離とともに歩けなくなりました。長距離の練習が不十分でした。
<今年>“時速7kmで1時間歩く”は基礎練習とし、実践練習として10km、20kmと距離を延ばしたり、ウォーキング大会に参加したりして、長距離を歩く練習をしました。

◎足のケア
<昨年>マメがつぶれた状態で歩いたため、足への負担が大きかったです。あとでみると、マメのできていない指はなく、爪の下が内出血し爪がめくれてきました。
<課題>歩行中の足のケアを軽視していました。
<今年>マメができそうな場所に絆創膏を貼り、およそ20kmごとに靴下を交換しました。靴下も5本指のものを着用しました。それでもマメはできましたが、帰宅するまで気づかないほど小さなもので済みました。

◎寒暖対策
<昨年>日中は軽い熱中症、夜は極寒で身体が動きませんでした。特に夜間は、溜まった疲労を回復するために休憩をしっかり取りましたが、その分、寒さで身体が動かなくなり次の一歩が出なくなりました。
<課題>日中が暑いだけに、夜の寒さが想像を絶していました。
<今年>夜の寒さ対策として、上は、トレーナー生地のものと薄手のウインドブレーカーの組み合わせ、下は、裏地付きのウインドブレーカーを着用しました。前日も、当日も、日中の暑さからすると「こんな重装備はいらない」と思いましたが、実際に夜を迎えると丁度よかったです。

◎下見
<昨年>クルマでコースを走りました。
<課題>クルマで走れない道の様子や、歩いた時の距離感がつかみきれませんでした。
<今年>長距離の練習の意味も込めて、コースをいくつかに分割して、実際に歩きました。今年の新コースなど75km分ぐらいは歩いて下見をしました。勤務先の先輩は自転車(ママチャリ)で100kmを走って下見したそうです。

 昨年から一年間、長距離を歩き続けることで感じたことは、自分の気持ちの移り変わりです。昨年は、順位は関係ないにも関わらず抜かれたら焦りの気持が湧き、無理な歩き方をしていました。歩くことを繰り返す中でマイペースで歩けるようになり、今回の100km歩行では、終盤の苦しい場面で周囲のチャレンジャーに声を掛けながら共にゴールをめざそうという気持ちになりました。自分中心から周囲へも意識が向けられるようになったとでも言いましょうか。今では、昨年の100km歩行でリタイヤしたからこそ得られたことがたくさんあったと思えます。
最後に。前回同様、サポーターのみなさん、炊き出しなどでお世話になったみなさん、休憩をしていたら縁台を出してくださったコンビニの方、みなさんに支えられている大会だと思いますし、一人で歩いているようで、実はみなさんと歩いた100kmでもあると思っています。完歩した方、できなかった方もいらっしゃいますが、みなさんと同じ目標に向かえた機会に感謝しています。ありがとうございました。