長崎 紀之さんのメッセージ

最初に、サポータの方々や主催者の方々および、道すがらにでも大きな声援をいただいた方達に大いなる感謝をいたします。
今大会の感想で、よかったのは、ルートの案内の正確さ。
他の大会では矢印・目印でランナーにルートを示しますが、ここでは紛らわしい箇所では必ず人が立っていて案内してくれる。
地面にも矢印はありましたが、人の習性としていくべき方向となるよう ルートが組まれている。
サポータにも、よい印象の方が多く、快く過ごせました。
初めてのチャレンジでしたが、少しでも今後のチャレンジャーの方の参考になるかと、拙い文章ですが以下にて述べさせていただきます。

[参加動機]
これまで7年ほど、ランニングをメインに練習してきました。
2015年のおかやまマラソンで初めてのフルマラソン完走の次に、目標として掲げる、ウルトラマラソンへの礎として、100キロという距

離を体験するために参加しました。

[事前準備]
この参加にあたって、本当は歩行の練習とかするほうがいいのだろうけど、それはありませんでした。
普段のランニングの練習でいけると判断。1月~4月までで月平均170キロくらい。それ 以前半年も同様の距離。
歩数でもここ半年くらい、1日平均最低13000歩くらいは歩いていました。

今回は、天気予報では寒冷前線が通過するために、激しい雨が一時的にせよ訪れることは確実に予想できました。
だから、カッパをトレイル用(コロンビア社のオムニテック)を持って行き、防寒用にも使いました。
カッパの帽子は風ですぐに飛んでしまうので、キャップに固定できるように大型のクリップを持っていきました。
ランシューはすぐに水を含むから、バイク用のブーツカバーを持っていく。
これで、歩きならば、雨でも雨でなくても同じパフォーマンスになるはず。
しかし、こないだ新調したヘッドライトは、よく見ると完全防水ではない。
これを買うときは、よもやナ イト・レイン・ランすることは想定していなかった。
それまでのちょっと暗いヘッドライトを予備に、さらにビニール袋を持っていき、雨の間は手に持って照らす準備。
当日の朝は、大会のガイドブックと、以前の経験者の話を参考に、自分で両足にテーピング。
大会が始める前、経験者から足のマメのことをきき「水に濡れると、さらにマメが出来やすくなるしね」ときいて、ブーツカバーの使用タイミ

ングを慎重に考えることにする。

[大会経過]
10:00にスタート。
ちょうど経験者の先輩が横におられたので、ずっと話しながら進む。
百間川河川敷は6月まで工事中で、途中は仮設の階段を登る。
2列なので大渋滞。
12.1キロ地点で2時間くらい。
持ってきたパン 1個を食べる。
「17時間ペースですよ~」とスタッフが叫ぶ。
12キロなら、走って1H10Mくらい?
それを2時間。
ささっと行けないせいで、ちょっと疲れる。
ずっと曇り空で涼しく、おかやまマラソンみたいに結局雨が降らなかったら「晴れの国パワー」だ、みたいな話をしていたけど、さすがに今日

はムリ。
コンビニに入られた先輩と別れて、14時くらいからはカッパを着ました。
でも、暑すぎることもない。
通常の大会は、スタートから暑く、夜になると寒い、という気象条件だと聞いていたけど、今日は好都合。
15:25瀬戸内市へ
強くなったり弱くなったりな雨だったが、17時半くらいからは、さすがにかなりキツい。
18:15 備前市に入る
峠を 越えて、下りに入ると、強烈な向かい風。体を前に倒しても進めない感覚。
せめて早く半分の50キロにならないかな、と歩くが、ラーメンのもらえる備前中学校に着く。まだ43キロ。
いきなりチャレンジャーの長蛇の列があり、みんなサービスのラーメンを待っている。
しかし悪天候のせいか、段取りが悪く全然前に進まない。ラーメン屋の店主(?)に怒鳴られているようなスタッフ。
「コンビニもあるし、先に進もう」と話す後続のグループも。
本当はここで、夜用に着替えて一息つくつもりだったけど、外は薄暗く、強風が吹き荒れ、着替えのできそうな渡り廊下のあたりもいろんなラ

ンナーが集まっていて、さすがにそこで上半身ハダカになって着替える勇気はない。
おまけに、 防水ではないヘッドライト用に、持ってきたビニール袋も紛失してしまったようだ。ぴぃんち。
古いヘッドライトを、ダメもとで、濡れても我慢して使う。
19時過ぎ、しばし並んでもらったラーメンは、寒いから、とか大会だから、というよりも、もともととても美味しいラーメンだと思いました


慌てて作っているから、半熟玉子も冷て~
もらったけど、塩をかけておちついて食べる機会などなかったユデタマゴ。
あとで見ると、応援メッセージが書いてありました。すぐ食べればよかった。
それまで履いていたブーツカバーは水を含んで重く、歩きにくい。
固定用の紐を引っ張ったら、一部が破れてしまいました・・
そもそも、バイク用だから、用途が違う。
まだ雨は降ってい るけど、仕方なくブーツカバーなしで。

備前中学校から伊里漁協。
このルートが一番辛かった。

シューズをあまり濡らすとマメが気になる。
相変わらず強風が吹くのでヘッドライト部分とカッパの帽子を両手で固定しながら走る。
道は暗くヘッドライトの光だけが頼りだ。
雨は吹き殴るのに、トンネルの中を進むような感覚。

このとき気づいたのが、夜光用のこの大会のバッチ。ふとみると多くの人がリュックの後ろにつけている。
スイッチを入れるとくるくる光が回って自分の位置を知らせる。
ボクは、ただの記念バッチだと思い、荷物になるので手荷物預かりに置いてきていたのでした。
一言、受付で言ってくれればよかったのに・・・自分も、みんなの目印になれたのに。
これがあると、雨の夜間でも、かなり遠くまで人が歩いているのがわかってとても安心しました。
伊里漁協では、買っていたオニギリ1個食べてトイレに。
11時間経過 21時前
ここからR2まで出るまでの道がこれまた大雨で、水溜りのない道路部分を探しても、ない、みたいな。
しかも、坂道で。
一帯が、浅いけど池の様相。
もはやシューズの濡れにこだわることは無意味。
R2の横断歩道前のコンビニでオニギリを購入し食べておく。
R2を渡ると、ルートを導くサポーターさんから「私設エイドがありますよー」と言われて行ってみると、知り合いの方がサポートしておられ

ました。
ありがたい。
エスプレッソ(?)コーヒーとバナナを。
アルパカのワインもあって驚きだが、飲む勇気なし。
朝から、別のランニングクラブの応援だが来ておられた女性ランナーと話し、気分はやや楽に。
閑谷学校までは登りだが、ボクはそれほど苦では なく、いっぱいランナーを抜きました。もちろん、まだ雨。
12時間経過 59キロ 22時半くらい
トンネルを抜けて、かなり広いエイドスペース閑谷緑地公園に着きました。
お茶のボトルとオニギリとチオビタをもらう。
行きに、以前参加されたことのある方と話してて「ここでチオビタを飲んでほっとしてリタイアする人も多い」とか。
雨はほぼあがり、風も、いままでのバイオレンスなものではない。
豚汁をもらい、食べ終えてすぐに出発。23時前。
ここから和気まで行くのに誘導された道は、新道のようで、かなり続く上り坂。
でも、あまり気にならない。
そのうち、下りに変わる。
直線だが、途中でルートのガイドをしてくれる男性に「次のエイドの和気まで、どのくらい ですか?」ときく。
「うーん、7キロくらいかな」かなりあるなぁ・・
今日だけは、下りが辛い。
足に負担がかかる。
以前、片鉄ロマン街道を走ったときのルートに出る。
和気駅の駐輪場のカブもまた、風のせいかド派手に転がされていました。
15時間経過 朝1時頃
リバーサイド和気
ここでは暖かいコンソメスープとカレーが。
スープだけもらい、あとはコンタクトレンズを外してメガネにチェンジ。
場所はトイレ。やりにくい。
ここまでの途中で、ご好意で貸してくれる喫茶店のトイレがあったが、どこか1つくらい、道路脇のトイレではなく、たとえば宿泊施設内の清

潔なトイレ(洗面所)を使えるほうが、女性にとっては助かるのでは?
それほどの汗でもなかった が、ここでTシャツとキャップを交換。
出て行く直前、オレンジのパーカのサポータの女性にきくと、備前中学校あたりで、風の強い場所で、大量のリタイア者がでたとか。
これは、最後まで行かなくてはなるまい、と思いを奮い立たせました。
土手の上を、なんだか等間隔で歩いている人を、一人ずつ抜いていく。
熊山駅から西に山に向かう。
ここまで、全然走ったこともない道が多かったが、ここは行ったことのある熊山英国庭園に繋がる道だよな・・と思いながら半信半疑で進む。
時刻は2時を過ぎて、先行していた3人ほどのグループも信号の間で止まって眠そうに雑談している。
こちらも、こんな時間まで起きるのは珍しいが、睡魔はちゃんと抑えられているようだ。
70キロを過 ぎて、これなら絶対完歩いけるよ、とかいう会話も聞こえる。
その一方、ゆっくり歩いたり、姿勢に問題ありそうな人も増えてくる。
最後のチェックポイント、マックスバリュに曲がる交差点でガイドするサポータはなんとなく動きがのろい。
でも、それは仕方ないよな・・
もう3時半だし。
抜いてゆくランナーには、なるべく「もうちょいだね!」とか一人一人声かけ。
あと19キロ、といわれるが、ランなら2時間なのに、ウォークなら4時間か・・
あと15キロくらいで、ついに自分にも不幸が。
右足小指が、まるで小さい袋を指の間に転がしている感覚。
止まってみてみると、既にマメが破れたあとでした。
知り合いに事前にもらっていた消毒用シートを貼り、キネシオテープを はがしてそちらに回して、応急措置。
あとは痛みはありませんでした。
19時間経過 朝5時 コンビニ
あと12キロ、と告げられる。
このへんで、上下のカッパは脱いでいつものランニングスタイルとなる。
やや寒いが、眠気対策でもある。
途中からは、ペルピエチームの女性2人1組が「応援ラン」ですれ違いながらお出迎え。
いよいよ、ゴール。
案内には「(走るのは原則禁止だが)ゴール近くで走るのは許容範囲」とあったはずだが、すぐそばにいたサポータの女性に「走っていい?」

と訊くと「ダメです。ここまできたら最後まで歩いてください」と言われました。えー
21H25M。
普通に時速5キロでいけば20Hで収まるが、初めての参加でこれなら、いいかな?
「向こうに飲み物がありますからどうぞ」と言われたけど、それらしきコーナーは有料。
どこまでも、普通のマラソン大会と違いがある。
そこらにあった椅子に座り、たまたま横にいた、初対面の同様の完歩者の若い男性と話していました。
大会全体の感想とかを整理できました。
帰りは、バス停のある国清寺まで河川敷を歩く。
両足の小指がやや痛むので、ゆっくり。2キロくらい?
とりあえずバスに乗り、降車してからコンビニでヨメさんに迎えにきてもらう予定で電話をしておく。
通常は、こんな距離で迎えを頼むことはありえないけど。
これは予期しなかったダメージ。

歩いていると、河川敷で呼び止められる。
「24H100キロ歩行のことなんですけど」
たいぎなの で、リュックには、まだゼッケンが貼ったままなせいだ。
相手は、まだランニング初級と思われるコスチュームの30~40代の男性。
今でた大会について、説明を求められる。出てみたいんだけど、と。
すべて、今思った感想を説明しました。
カレは満足したようでした。

少しいって、三光荘の通りを行くと、後ろを歩いていたシニアなご夫婦が「24H100キロ・・歩行?」とかゼッケンを読みはじめる。
で、一通り説明。
けっこう感心してくれました。

資料:傷めた箇所
 右足小指(マメ)
 右足かかと上(水ぶくれ)
 右足親指根元(気のせい)
 左足ヒザの裏 筋肉痛?
 腰 やや筋肉痛

ゴール直後はよかったけど、そのあとはひしひしと100キロ歩 いた脚のダメージの大きさを感じています。
走れば、もっと?
チェックポイントで、ほとんど休まなかったのは正解。
気持ちに負けて5分でも休めば、もう歩けなかったかも。

大会の完歩率は60%だったそうだ。
おそらく、いつもの、暴風雨のない大会よりは下がっていると思うが、だからといって低いとは思えない。
普通のマラソンでは、辛いときにリタイアを考えるが、今回は気象条件が厳しいにせよ、リタイアの誘惑はありませんでした。
歩くだけなら、遅くても前に進める。
厳しさのピークの50キロ付近までくれば、あとはどうしても戻るしかない。
脚の痛みはあったけど、最近、痛みは少し我慢すれば緩和されることが多いことに気づき、その痛みに怯えてしまうことは少 なくなりました。
そのうち、また楽になる。
実際、その通りでした。
一般的なマラニックのように会話しながら笑いながらの大会ではないけど、追い抜きざまに短く会話すると、お互い同じような気持ちが伝わっ

てくるようでした。
誰でも一度は、こんな体験をしてみては、とはオススメはできないが、FBの周りの反応を見れば、とても好意的だ。
いくらゆっくりでも諦めないで最後までやり通すことに価値を見出したい人のために、開催されるべき。

大会のあと、FBでは、多くの知り合いからは「あの暴風雨の中、よく頑張ったね!」という暖かい言葉をいただきました。
それはとてもありがたいことで、素直に受け止めるべきなのだけど、当の本人からすれば、あの風のピークの ときも、苦しい気持ちはあったけ

ど、「リタイアしようか?」という悪魔のささやきはありませんでした。
装備としてはあの天候は予測できたので、慌てることもない。
予想外なこともあったけど、それは割り切って対応できました。
上がらない雨はない。
やまない強風はない。
明けない夜はない。
ちょっとネットで調べれば、夜中過ぎには雨はあがる予測。
それを全面的に信じることもできないけど、信じることで、希望は生まれる。
そこまでは頑張ってみよう、と。

今思えば、やっと明るくなった早朝、サポーターの方から、あと12キロ、と告げられたコンビニの前で、思わず自分でガッツポーズをとりな

がらちょっと涙がでたことを思い出します。。