中山 翼さんのメッセージ

100km歩行初参加。

自分自身への備忘録と次回以降参加する方の参考になればと思いここに記載する。

【準備】
一月中旬より練習開始。往復4kmの直線コースを使用。4km→8km→12kmと徐々に歩行距離を伸ばして行きそれ以外のコースも含め毎日平均10kmを歩く様にした。以降本番まで可能な限り継続する。

2月中旬。実際のコースをスタート地点より邑久駅まで約30km歩いてみる。下旬。同じく長船駅まで36km歩く。

3月。倉敷ツーデーマーチに1日のみ参加。40km歩く。途中一緒になった老夫婦とゴールまで歩いたが歩くペースの速さに非常に驚いた。

3月中旬~4月。実際のコースを
長船駅~熊山駅(40km)。
伊里駅~ゴール(50km)。
など幾つかに分けて歩いてみる。これにより実際の距離感。コース展開。コンビニの位置などを予め把握でき非常に役立った。

尚練習時、歩く際には姿勢を一番重要視した。中でも以下3点は特に重要。
・お尻を上にキュッと上げる。
・お腹を思い切り力を入れてへこませる。
・顎を少し引き頭を背骨の真上に乗せる。横から見ると耳の穴と肩が垂直に一直線になった状態。

又、
・足先と膝の向きはそれぞれ並行にする。内股、ガニ股にならない様注意。
・足音をなるべく立てない様に静かに歩く。
・歩く際はお尻、太ももの裏、ふくらはぎを使って歩く。太ももの前側に力が入っているとブレーキの作用が働く。使うのはあくまで裏もも。
・腕は後ろにしっかり振る。
・体を前に倒し、倒れそうになるのを脚で支えるようなイメージで歩く。

もちろん一度には覚えきれないので、日々の練習の中で一つ一つ意識して行い、自分の体に染み込ませていった。

本番の2週間前には整体にも行き、体の歪みもある程度治してもらった。その際、痛みが出る部分も伝え対処法を授かった。ただ、体の歪みは完全には治らなかったのでもう少し早く行けばよかった様に思う。

又、本番までに知り合いの完歩経験者何人か会いに行き、気をつける点や持って行った方が良い物など直接聞いた。

【休憩に関して】
休憩は基本5分以内。静止すると足が固まり歩きだしが辛くなるので休憩中や信号待ちの際も足踏みをする。足踏みはつま先をつけた状態でかかとのみ上げ行う。

【装備】
コンプレッションタイツ、テーピング機能付き5本指ソックス及び地下足袋用ソックス(履き替え用も乾燥剤と供にジップロックに入れた)、倉敷⑤社製の地下足袋(地下足袋用インソール併用)、ウエストポーチ、短パン、長袖コンプレッションシャツ、Tシャツ、ヤッケタイプのレインコート

地下足袋を履いてトレーニングする事によって正しい歩き方が身につくと聞き、実践してみた。慣れるまでに少し練習が必要だが概ね良好。背筋が伸びる様な気持ち良い歩き方を体得できた。

また、途中水ぶくれができた場合安全ピンを使って水を抜き、テーピングをして処置すると良いが、安全ピンはゼッケンや当日貰うバッチにもついている。なのでそれを使用する手もある。私は今回水ぶくれはできなかったが一緒に歩いた友人にそれを勧めると実践していた。

【大会当日】
スタートから25km地点まではコンビニがない事が分かっていた為、スタート前に弁当を食べ、おにぎり2個、スポーツドリンク、水を一本ずつ持って行った。スタート地点で友人に会う。以降その友人と一緒に歩く事になる。

西大寺に差し掛かった辺りで懸念していた雨が降り出す。まだ小雨だった。夕方長船に差し掛かった辺りで雨足が徐々に強くなり風も吹きすさぶ様になる。雨具を着るがゼッケンを雨具の上に取り付け直さないといけなく煩わしかった。

地下足袋には予め防水スプレーをしこたまかけていたが、それにも拘らず徐々に水が中に染み込んで来て不快になった。

備前中学に到着するも炊き出しのラーメンに並ぶ列が大渋滞を起こしていた。なるべく留まりたくない。備前中学を出て少し行くとセブンイレブンがある事を予め下見で把握していたのでそちらにターゲットを絞る。備前中学ではメッセージが書き込まれたゆで卵のみ受け取り、炊き出しをスルーしてセブンイレブンに向かった。暗くなってきたので夜間装備も装着。

セブンイレブンでカップ麺とおにぎりを買い、歩きながら食べる。正面から物凄い風に乗って雨粒が飛んで来て顔面にバンバン当たり痛い。そんな中カップ麺を食べているとなんともサバイバルな様子を呈してきたと思った。

伊里漁港に到着。ここで初めて30分程休憩。靴下を脱ぎ足の裏を確認してみるが心配した水ぶくれはできていない。しかし、水に濡れて足先の皮膚が全体的にふやけている。暫く素足の状態にして乾燥を試みる。

友人の足には両足の小指に大きな水ぶくれができており処置を勧めた。周囲を見てみるとその場にいたチャレンジャーの半数近くがリタイアする様子。

自分自身はどうだろう。足元は濡れ不快だが水ぶくれはできていない。雨は降っているが雨具があるので足元より上はカバーできる。体は、動く。。。行こう!雨の中再度出発。

周囲も暗くなり心細くなりそうな雰囲気だったが、一緒に歩いてくれる友人がいるので気持ちにゆとりが持てた。

伊里駅を過ぎるとそれ以降は下見でゴールまで50kmを予め歩いていたのでそこからの道も容易にイメージでき俄然やる気も湧いてきた。

閑谷学校に向かう坂道を歩いている途中、目の前に車が停まった。中から出てきたのは僕の友人である金関拓海君。まだ一般公募が始まっていない岡山100km歩行の時代、最年少完歩者である。なんでもこの後総社まで行かないといけないのにわざわざ和気の方まで応援する為に探しに来てくれたそうだ。めちゃくちゃ嬉しかった。

良き友人の応援もあり更にやる気も増し、閑谷学校前のトンネルを通過。チェックポイントに入る。この辺りでようやく雨が上がった。

炊き出しを頂いてチェックポイントを出発。今回2発目の峠越え。現在60km地点。時間は22:30。足には充分余力があった。練習時50km歩いた際には足のむくれなどでかなり痛みが出ており最後には倒れこむ程だったのだが今回は痛みもほとんどない。思うに雨によって足が冷やされ快適に進んでこれたのではないだろうか。

峠を越え和気駅を過ぎ、リバーサイド和気に到着。暖かいコンソメスープとカレーの炊き出しを頂く。雨で冷えた体に暖かいスープが染みて非常に美味しかった。

リバーサイドを出発。5km程の土手沿いをひたすら歩く。下見の時は景色が変わらず退屈な道だったが今回は友人の他に途中で一緒になった倉敷から参加されている初老の男性からも話しかけられ3人で歩く事になり、退屈せずに済んだ。

土手沿いの道の終わり頃に男性と別れそこからは再び2人旅。友人にはだいぶ疲労の色が見られ始めていた。ネオポリスの入り口にあるサークルKに着くまでかなり辛そうな様子。そこでも少し休憩をとる事にする。

サークルKを出発して少し行くと、なんと共通の知人であるうっつんさん(過去3回完歩している方)がロードバイクで登場!なんでも友人が何人か参加しているからそれぞれに応援に来ているらしい。ここでも知人からの応援は非常に嬉しかった。

80kmを過ぎた辺りでトイレに寄っている際今迄一緒に歩いていた友人が先に出発していた。そこで無理にペースを上げて追いつこうとした事が良くなかった。遂に足に痛みが出始めた。途中またうっつんさんとお会いし、友人にも追いついた。友人はそこでペースダウン。私が先に行く事になる。

85km地点。今までで一番ペースが落ち4km/hほどになっていたかと思う。靴の中に入った石を取ろうとバス停のベンチに座っているとなんと後方から友人が物凄い速さで追い抜いて行った!

慌てて追いかける!休憩からの歩き始めは足が思う様に動かないがそんな事は言っていられない。こちらも全速力で後を追うが全然差が縮まらない。信号待ちなどにも引っかかり近づいたり離れたりを繰り返しながらもなかなか追いつく事が出来なかった。

ただ、中途半端にゆっくり歩くより早く歩いた方が痛みが少ない。先ほどまで痛かった足の痛みが減ってきた。テンポ的には走るようなテンポでとにかく全速力で歩く。中原橋の手前でようやく追いつくと友人は泣きながら物凄い悲壮感漂う顔で「はやくかえりたい~」と連呼していた。

だいぶきてるなーと思いつつこちらも更にペースを上げ追い抜く。そこから先はラストスパート!足の痛みも少なくなり前方にいる他のチャレンジャーをごぼう抜きにしていく。このタイミングでごぼう抜きにしていくのは非常に気持ちよかった。

消防署を過ぎた辺りで右手の手先がかなり浮腫んでいる事に気づく。右半身の血行が悪いのと右腕ばかり多く振っていた現れと思われる。

旭川河川敷手前の信号待ち三連続。足踏みをしつつサポーターの方とお話しをしながらやり過ごす。

信号を過ぎいよいよ河川敷に降りる。残り2km。前方にいた全速力の私とほぼ同じスピードのチャレンジャーに追いつく。時間は7:47。6:00~8:00の間にゴールを目標にしていたので挨拶をしつつ「なんとか8:00までにゴールしてやる!」とその彼に伝える。すると彼もそれに反応して物凄いスピードでついてきた!そこから最後のフルスロットル!更に加速し、ゴールを目指す。マンガにすると後ろから煙が上がってドドドドッ!!!!という効果音がついているようなそんなイメージ。そして2人同時にゴールテープを切り見事21時間56分でゴール。目標達成!ゴールしたあと一緒にゴールした彼とがっちり握手して別れた。

完歩証明を受け取ったあと後ろから来ているであろう友人を迎えに行ってみる。発見したのは河川敷を降りたあたり。ペースはすっかり落ち、泣きながらサポーターに伴歩してもらっているところだった。そこからは伴歩を代わりゴール前まで一緒に歩く。だいぶ意識が朦朧としている様子だったがやっと着いたという気持ちが滲み出ていた。彼女も無事ゴール。

100km歩行が終わった。

反省点
今回上半身は長袖コンプレッションシャツの上に綿のTシャツを着たが雨で濡れたあと乾かなくて寒い思いをした。晴雨に拘らずナイロン製のドライタイプのTシャツにしたらよかった。

上着はヤッケタイプのレインコートのみだったが夜間は予想以上に冷え込んだ。もう一枚上着が欲しかった。

まとめ
・この長旅は準備が8割。何回かに分けて事前にコースを実際に歩いてみると非常に役立つ。また練習で歩く距離は長ければ長いほど良い。徐々に慣らしていき三ヶ月前には30km3回。二ヶ月前には40km2回。一ヶ月前には50kmを一回かできれば2回歩いておくと良いだろう。

終盤ラストスパートをしかけたがゆっくり歩くよりある程度の速度で歩いた方が痛みは少なくてすんだ。

また装備にかける費用は下半身のみハイグレードの物を使用。その他は安物で充分かと思われる。

練習では少なくとも同じスピードをキープできるよう身につけておくと良いだろう。
私の場合平均5.3km/h。
100kmの長い道のりも最初から最後まで同じリズム、スピードで歩く事が望ましい。

【最後に】
途中忙しい中、友人がわざわざ応援しに駆けつけてくれ非常に嬉しかった。サポーターの皆様からもそうだが声をかけて貰えるだけでこんなに嬉しいと思えることは日常あり得ない。長距離歩行イベントに参加する醍醐味とも言えるのではないだろうか。

初参加だったが結果足裏に水ぶくれ等も一切できず完歩できた。入念に準備をし、下調べをしてきた成果の様に思う。また友人やサポーターの皆様の応援が非常に嬉しかった。関わった全ての方々に感謝を申し上げる。