滝川 忍さんのメッセージ

「お母さん、これに参加したい」と当時小学5年生の息子が学校から案内のパンフレットを持ち帰ってきました。「100km歩行にでたい」パンフレットを読んでみると『24時間?100km??寝ずに歩くってこと???』息子の顔は真剣そのものでしたが、全く現実的ではないと思い「100km寝ずに歩くなんて絶対に無理よ。親子の部っていうのがあるよ。43kmなら母さんも頑張って歩いてみてもいいよ」と言いました。息子は大変不服そうでしたが渋々承諾し、締め切り間近になっていたので急いで申し込みを済ませました。
申し込んだからには完歩しなくてはいけないと、3月の終わりから日曜日ごとに歩行練習を開始しました。まずは、いつもは車や自転車で通っているスイミングスクールまで。次はちょっと遠くのスーパーまで。最初はただ何となく目的地まで歩いていましたが、パソコンで距離を確認してみると、自分の感覚ほど距離がなく、散歩程度の歩きでは、タイムアウトになってしまうことを知りました。それからは前もって距離を確認し、自宅から5km先の目的地に1時間で歩いて行き、1時間で帰ってくるように練習し、時速5kmの感覚を体に覚えさせるようにしました。そして一番遠くは自宅から岡山城までの往復約15kmの歩行練習をしました。時速5㎞というと常に早歩きの状態でいなくてはならず、家に帰ってきたときこれをもう2往復なんか本当にできるんだろうかと不安になりました。息子も最初は「100kmに出たかった」と言い続けていましたが、実際に15㎞歩いてみて、43kmをタイムアウトせず完歩できるのか心配するようになり「100kmがよかった」とは言わなくなりました。
大会当日、天気に恵まれ絶好の歩行日和になりました。周囲に今回の参加のことを話すと「そんなのに出るの?」といった感じで大会のことを周知している人がほとんどおらず、まして子供と参加する人がいるんだろうかと不安でしたが、会場の多数の参加者の中に、息子と同じくらいの子供をあちらこちらでみかけ、一緒に頑張ろうといういう気持ちになれました。練習の成果もあって39.4km地点の湯次神社まではコースガイドの完歩シミュレーションより少し早めの時間でずっと歩くことができました。もちろん足は痛くなり、手はパンパンにむくみ、つらい時間帯が何度かやってきましたが、オレンジ色の上着を着たサポーターの方や周囲の参加者の方に「小学生なのにすごいね」「頑張って」と声をかけて励ましてもらいながら足を進めることができました。40㎞を超えてからの坂道は予想よりもはるかに厳しく、息子は「足が痛い」と半泣きで私の手を握ってきました。見れば周りの親子はみんな手を繋いで山道を登っていました。ゴールの備前中学校には8時間56分で到着することができ、やり遂げられたうれしさでいっぱいになりました。 家に帰ってからはあまりの体の痛さに、『もう2度と参加しない』と思いましたが、翌日から体の痛みも少しずつひいていき、『100㎞もありかもしれない・・・』と大それたことを考えるようになっています。
息子には今回の貴重な体験を形にして残してもらおうと思い、自主学習ノートに作文を書いてもらいました。体験したことの最後に、『応援のありがたさを感じたので、今月の運動会では友達をしっかり応援する』と書かれていました。足の痛みは消えていきましたが、励ましの声をかけてもらったことは、心にしっかりと残っているようで、心身ともにいい体験ができました。このような機会を与えてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
親子の部参加:滝川 忍(子供:滝川 遥貴/小学6年生)