山根 正直さんのメッセージ

はじめての100km歩行チャレンジでした。
もともとマラソンが好きで続けておりまして、
あっちこっちの大会に行くのですが自分の生まれ育った土地で、
しかも100kmもの道のりを歩くというのはなかなか無い事なので
「なんだか楽しそうだなー」と思ってエントリーしました。

装備に関しては特に迷わず、
ランニングシューズと五本指ソックス、GPSウォッチ、
コンプレッションタイツはマラソンで使っているものを。
足先はガチガチのテーピングを施しておきました。
暑くなりそうだったのでハーフパンツなどが良さそうでしたが、
夜の寒さと、荷物になる事を考えて
最初からトレッキングパンツで行く事にしました。
コンビニを利用する際の支払いをサッと済ませるために
ICOCAに必要そうな額をチャージ。
リュックはランニング用の小さめのものにしたので
夜間の寒さ対策として厚めの長袖タイツ、
薄手のパーカーを折りたたんで収納。
後はスマホ用のモバイルバッテリー、夜間装備と予備の電池。
飲み物はペットボトルのスポーツ飲料を2本用意しました。
初めての参加で、なんとなく心配だったので結局
ランニングポーチも携帯してレースに参加いたしました。

大会前の決起集会で、前回大会に参加された
先輩チャレンジャーさんから聴いたのは
「途中にキツイ坂があるから前半はちょっとペース早めが良い」
というアドバイスでした。なるほど!と思ったのですが
ちょっと早め、の具体的ペースまで聴いていなかったので
とりあえず、1km9分台(時速6km程)ペース。
当日、もう少し暑くなるかと思っていたんですが、
少し風もあり、歩きやすいコンディションでした。
念のためドリンクはこまめにとりつつ、エイドでも水分をいただき、
コンビニでお腹を満たしながら西大寺までは何事も問題なく軽快に行けました。

西大寺以降、市街を外れて畑が視界に広がる単調な道。
邑久駅周辺に来るまではコンビニもないので、ひたすら歩くのみ。
瀬戸内市、長船市、という看板を見つけるたびに
ずいぶん遠くまで来たなー、などと思いながら時速6kmくらいのペースをキープ。

そして、噂に聞いていた最初の山道。
サポーターの方が「こんなキツい坂をコースにしてすいません!」
と言ってたのが笑えました。なるほど、良い感じにキツイ!
でもここまでの単調な道を考えるとようやく変化ある道に来たので
ちょっとやる気にもなりました。ここの山道の頂上で
備前市の看板を発見。多くの市町村をまたいで参りました。

山を下って少し行くと、炊き出しを行っている備前中学校エイドに到着。
美味しいたまごかけご飯、そしてメッセージが書かれたゆで卵。
とても美味しかったし、励みになりました。
中学校を出発して少し行ったところにあったコンビニへ。
この先、コンビニが少なかったと思うので
念のため食料を購入。実際、次のコンビニまでは10kmほどあった。

ここからは港周辺を歩く。夕方をすこし過ぎて
これまでは心地良かった風に、少し寒さを感じるように。
少しずつ夜に近づき、そろそろ夜間装備が必要かな・・・と
思い始めた頃に50.4kmの伊里漁港に到着。
ヘッドライトと夜行タスキの装着、そして厚手の長袖タイツに着替えて
漁港を出発するころには、辺りは暗くなってきました。

道のりもちょうど半ばに差し掛かって、出発した際
前後には他のチャレンジャーの姿が見えず、少し不安になりましたが
大会側の用意してくれた青色LEDのバッヂの光は、
遠方にいるチャレンジャーの存在をしっかり知らせてくれて
本当にありがたかったです。そして暗い道沿いに立って
応援の言葉と、塩タブレットを手のひら一杯にくれたおばちゃん、
本当にありがとうございました。嬉しかったです。

閑谷学校へと向かう山道は本当に灯りが無く、
前後のチャレンジャーのLEDの灯りと自分のヘッドライト、
そして頭上の柔らかな月明かりが照らさない場所は本当に闇でした。
野犬の争う声が山にこだましてたのはちょっとおっかない感じでしたが、
けどそれも非日常的で、なんだか冒険してる気がして楽しかったです。
あと、ずっと暗い中歩いてたので時間の感覚が無く、
閑谷エイドについた時に21時だというのはなんだか意外でした。
ただ、ここまで11時間。さすがに足先はパンパンでブルーシートに
座るのも一苦労でした。エイドの炊き出しとエナジードリンクが染みた・・・

座り込んだブルーシートから凄い登り坂が見えて、
「まさかこの坂を登るんじゃ・・・」と思ったら、
青い光がチカチカと登っているのが見えた。・・・ですよねー!(汗)
ただ、実際に登ってみると対向車も少なく、なんだか登るほど
少しずつ夜空に近づいているようで気持ち良かったです。

リバーサイド和気まで来たとき、MAPを熟読していなかったので
てっきり炊き出しがあるものかと思い込んでました。
炊き出しをアテにしていたのでその先の磐梨中学校まで
飴など食べながら空腹をやりすごすことに・・・
ここからの土手沿いの道は真っ暗でしたが、道沿いに小さなランプを
置いてくれてたのがとても綺麗でした。そしてちょうど時間的に
最終であろう、山陽本線の電車が対岸を走っていく光景はなんだかとても
幻想的で美しかったです。少し立ち止まって眺めてました。

そんな事を言いつつも、私も疲弊してきております。
土手を下るまでの間にも、道にうずくまった方、
困難そうに歩行される方を見ていたので、改めて
「ここからが本番!」と自分に言い聞かせ
次のエイドを目指しました。そして磐梨中学校に到着。

このエイドでは、ぶっかけうどんがいただけました。
大変美味しかったのですが、ここまで空腹を抱えていて、
他のものも一気に飲食したためか
数十秒した後に急な寒気に襲われました。
寒さ対策に用意した上着を着て、エイドで設置されていた
ストーブで温まりなんとかやり過ごせましたが、
結局ここで大きく調子を落としてしまいました。
コースに出てからも、少しでも早く温まりたかったんですが、
自販機を利用するにも小銭の持ち合わせがなく。
次のコンビニまで結構辛かったです。

ここからの桜ヶ丘のルートはよく知った道なので
気分的に楽になるハズ!と勝手に思い込んでいたのですが
元気な状態で挑むならまだしも、
疲労を抱えた状態で知った道を行くのは逆に疲労度アップ。
「まだ坂終わらないの・・・」とずーっとボヤきながら、どうにか
中国銀行のチェックポイントに到着。
「あと15kmですよ!」とサポーターさんに笑顔で声を掛けてもらい、
少し元気になれました。ホントにありがたかったです。

とはいえ、いつもマラソンで走る15kmとは訳が違って、
ここからの1kmずつは本当に長かった。実際、疲労もMAXで
モチベーションも最低になっていたので1km15分で歩いてました。
「足痛い・・・1km長い・・・眠たい・・・」とやり場のない不満を
まき散らしながら、それでも今出来ることは歩く事しかない。
なんてシンプルで過酷なんだろう、とエントリーした事を
ここにきて後悔してきました。完全に眠気に負けてるだけですが。

「あと3kmですよー!」と言われたことにすら
少し恨みを感じる程にやさぐれたモチベーションだったので
ゴールをした時も「やっと帰れる・・・」という解放された気分で
いっぱいでした。正直、ゴールの感動はあんまりなかったです。
そして翌日は筋肉痛で階段の上り下りに苦心。
やんわりと目標にしてた20時間も切れず。
アンケートには「次回は参加しない」と迷わず回答。
私の初チャレンジはそんな感じでした。

そこから1週間以上立って最近思ってるのは何故か
「次に参加する時は・・・」という前提での反省と振り返りでした。
心底疲れて、もうヤダーと思ったのは本当だったのに不思議です。
実際に参加するかどうかはまだ迷う所なのですが(笑)、
当初自分が思っていた「なんだか楽しそう」というイメージと
また違うものが歩き切った先にあったのだと思います。

今回の自分の反省点ですが

■当たり前ですが、歩行練習されておくのが良いです。
 私はほとんどやってなかったです。
 後半のバテバテペースを考えると前半のペースは
 オーバーペースだったのかも、と少し思いました。
 大会前にまず自分のペースを把握し、それを踏まえて
 長い距離を歩く練習をするべきでした。

■ICOCAにチャージは正解でしたが、500円玉くらいは持っていくべきでした。
 自販機、特に夜間はホットの飲み物が有り難くなりました。

■疲れてる時は食事はゆっくり取った方がよさそうです。
 寒気が来た時はホントに歯がガチガチなりました。
 エイドのストーブ、本当に助かりました。

最後に、今大会に携わっていただいた全ての皆様本当にありがとうございました。
一人で参加はしましたが、歩きながら多くの応援をいただきながら、
道にテープで作られた矢印を見ながら、サポーターさんの言葉に励まされながら
一人で歩いているのではないのだな、とずっと感じていました。
本当に素晴らしい大会だったと思います。ありがとうございました。

山根正直