2022年5月4日
朦朧とした意識の中、夜が明けかけるバスの窓越から目に映ったのは、脚の痛みに耐えながらも諦めずにゴールへと向かうチャレンジャーの姿だった。
何やってんだろオレ・・スタート前は、「フルマラソン走れるんだし100km歩くなんて余裕でしょ!24時間もあるんだから」などと思っていた自分が恥ずかしい。
両足裏にできた肉刺の痛みに耐えきれず、77.5km地点の「磐梨中学校」でリタイヤしたのだ。
2023年5月3日
あれから1年、100kmのスタート地点に立っている自分がいた。
今年は100km歩くことをなめてはいない。
走る練習に加えて4kgの水をザックに入れて最長40㎞歩いたり練習も重ねた。足の痛くなる部分にはテーピングを施し、肉刺対策もやった。
それでも歩ききれる自信は・・・不安要素のひとつであった天気が事前の雨予報から晴れになった事が唯一の救いか。
さすがは「晴れの国おかやま」である。
午前10時。今年は一斉スタートだ。100km歩くと決めたチャレンジャーがスタートゲートを元気よく出発していく。
スタートから10kmほど百間川沿いを南下するが、景色の変化があまりないので意外と水門までが長く感じる。
空を見上げると水平に伸びる虹「環水平アーク」だ。これは幸先が良い。
昨年は既にこのあたりで足裏に肉刺の兆候があったが今年は全く問題ない。
順調に22㎞地点のエイド地点「野崎産業」へ到着。どこのエイドでもサポーターの皆さんが元気よく、明るく声を掛けてくださるのでホントに力になる。
休憩も程々に歩みを進める。あまり長い休憩を取ると筋肉が硬直して固まってしまうのだ。
44.8㎞の備前中学校手前の山道も脚に気を使いながら踏破。昨年は唐揚げ弁当で(確かそうだったはず)今年は美味しい「たまごかけご飯」をいただいた。お箸の袋や、ゆで卵の外殻にメッセージを手書きいただいてるのもうれしい限りだ。
夜間歩行の準備を整え再出発。次は和気へ抜ける山道が待ち受ける。
個人的には(多くの方がそうかも)閑谷緑地公園からの山越えが一番辛い。
暗くてどこまで登るのかもわかりにくい、下りも延々と続いて脚を攻撃してくる。
精神的にもきつい区間だが何とか脚を痛めることなく乗り越えた。
その先の「リバーサイド和気」で小休止して昨年リタイヤした場所「磐梨中学校」へ向かうが、吉井川土手沿いの道も真っ暗で特に何も変化なくかなり気が滅入る・・道路端の目印として置いてある無数のLEDを数えたくなるくらい(笑)これもサポーターの皆様が安全のために置いてくれたのだと思うと頭が下がる。
昨年は寝ながら?歩いた吉井川土手も今年は全く眠くならず通過し中学校へ到着。昨年ほどでもないが、少し空気も冷たくなってきた。昨年はおむすびを、今年は暖かいうどんをいただく。身体の中から温まる。サポーターの方に、昨年はここでリタイヤした旨をお話しすると、「ここまで来たんだから、あとは精神力やで」と応援の言葉をいただき出発。あまり長居すると弱い自分に負けそうで(笑)
残り22.5㎞。ここからは約10㎞ほどのコンビニを経由していく。途中、コンビニだと思った所がコインランドリーに代わっていたのはショックだった。休めると思ったのにね。プログラムのマップと、個人持ちのランニングアプリではどうしても距離誤差が出るので勘違いしてたのだ。
いくつかのコンビニを経由しながら順調に歩を進め、旭川沿いから朝日を拝む。昨年は見れなかった景色にしばし足を止める。ここまで来たらあと10㎞と思うが2時間はかかる(汗)走ると1時間かからないのに・・・これが歩く事の大変さ。歩く事はスポーツだ!☜昨年感じた事。
ここまで足の裏には肉刺は一つもできていない。そのせいもあってかまだまだ身体が動く。腕を強く振り前へ進む。視線の先に岡山市内の街が見えてきた。あと少しだ。残り3㎞更にペースを上げてラストスパート。
1㎞を9分前半で歩いていく(笑)
そしてスタートから20時間26分、昨日の10時にくぐっていったゲートに到着。
多くのサポーターの皆様に迎えられてゴール。昨年の悔しさを晴らすことができました。
もう嬉しさしかない!あと何とも言えないくらいの解放感と(笑)
100㎞歩行に挑戦してみようかなと思っている皆さん。ぜひとも非日常の世界にチャレンジしてみてください。
100㎞先のゴールに見えるものは人それぞれだと思います。
何を思うかはゴールした人にしかわからない世界です。
正直、100㎞歩くのは大変です。それなりの練習、準備が必要です。
中でも自分の弱い心に打ち勝つ強い精神力、思いが必要です。でもそれがあればきっとゴールにたどり着けます。
タイムリミットの午前10時が過ぎ、閉会式も終わり、片付けが始まっていても最後まであきらめないチャレンジャーがゴール地点に帰ってきます。みんなが手を止め、拍手で迎える姿は泣けます。何が何でも帰ってくるチャレンジャーの姿は輝いて見えます。そんな世界に一度はチャレンジしてみませんか?きっと新しいまだ見ぬ発見がたくさんあるはずです。
最後に大会を開催くださいました関係者の皆様、昼、夜、深夜問わずエイド、道案内、交通整理等でお世話になったサポーターの皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで無事にゴールし、大会を楽しむことができました。いつまでもこの大会が続いていくことを願っております。
藤原和樹

