加藤 美咲さんのメッセージ

100㎞を歩く。初めて聞いたときは、ピンときていなくて、ポカーンとしました。新入社員として会社に就職してからは、毎日慣れない仕事に追われていました。そのため、会社で行われる練習会以外で、自主的に歩いた回数は、ゼロに近かったです。「できる準備だけでもがんばろう!」と練習会での練習を必死にがんばりました。歩くペースも遅く歩幅も小さい私は、一緒に練習してくれた上司の歩くスピードについていけませんでした。でも最後まで、毎回歩ききれたのは、チャレンジャーのみんながいたからでした。お互い「がんばろう!」と声をかけあいました。しかし、本番が近づくにつれ言葉では表せられないような不安がどんどんおしよせてきました。前日にあった会社での激励会では、不安のあまり大泣きしてしまいました。いろんな人から心配されましたが、にわとり帽子をかぶったチャレンジャーのみんなと、黄色いTシャツを着た会社の上司や先輩方がついていると思うと、不安も和らいだような気がしました。
本番当日、出発前に父とケンカをし、気分は最悪なまま、会場へ向かいました。受付に行くとき、にわとり帽子を発見し、とても安心しました。そしてみんなが集合し、メッセージが書いてあるたすきを受けとり、かけ声をかけました。「俺は出来る。私は出来る。絶対100㎞歩くぞ」と。正直周りにたくさんチャレンジャーがいる中での声出しは恥ずかしかったですが、こんなにも支えてくれる人がいるのだと実感できました。スタートゲートに立ったとき、改めて人の多さにびっくりしました。
ついにスタートするとすぐにおなかがすいて、開始5分程でサラダチキンを食べました。練習会のときから同じペースだった、会社の同期の方といっしょに歩きました。ひとりになるのが苦手な私にとっては、隣を歩く身近な存在がとてもありがたかったです。参加者の方々はとても歩くのが速く、開始早々、たくさん抜かされてしまいました。でも、「自分は自分」と心の中で言い聞かせながら、自分のペースで無理なく歩くように心がけました。10㎞くらいまでは、全然足の痛みもなく、スタスタ歩けていました。しかし、最初のコンビニがすごく遠く感じました。良い天気で暑かったからか、どんどん体力がうばわれました。アイスが食べたい!その一心でコンビニまで必死に歩きました。しかしコンビニ手前から、ひとりで歩いていたので心細かったです。念願だったコンビニについたときは、感動して涙がでました。暑さにやられ、ばててしまい、食欲がなくなっていたことは本当にショックでした。
しばらくしてから、また同期のメンバーに追いつけたのでとてもうれしかったです。「きつい、足痛い、疲れた、」と後ろ向きなことを言いつつも、足は止めず、ひたすら歩き続けました。チェックポイントまでが長く感じ、歩いても歩いても進んでいない気がして、泣きながら歩いていました。そのとき、上司が「加藤がんばれ!」と応援してくれたので、絶対ゴールしてやる!と決めました。一番きつかったのは、やはり備前中学校前の山道でした。
上りは練習会で坂道を歩いていたので全然きつくなかったです。下りは、足の指に負担がかかりとても痛かったです。夜間装備をつけたとき、サポーターの方が、「もう少しで中学校につきますよ」と教えてくれ、ワクワクしました。でも、精神的に疲れていたためか、なかなか備前中学校へはたどりつけませんでした。
屈伸をしたとき、体がふらついたことまでは覚えているのですが、気がつくと私は病院にいました。途中で断念する結果になって、とても悔しかったです。ですが、仲間の大切さが分かったこの研修は成功だと思います。何度も歩くのをやめたいと思いました。その度に「がんばろう」と声をかけてくれた同期にはとても感謝しています。自分ひとりでは成り立たない。サポートしてくれた方々、一緒に歩いた同期、現地に連れて行ってくれた家族、すべての人に感謝です。ありがとうございました。

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