「今、清々しい思いでいっぱいです」小川美智子

 昨日くぐって出発した白とオレンジのゲートが遥か彼方にチラチラ見えてきました。オレンジのスタッフジャンパーの方々が並んでこちらに大きく手を振ってくれています。私も手を振り返します。嬉しさとホッとした安心感で涙が出てきます。そしてゴール。「あー、これで終わった。もう進まなくていい。100キロ〜ほんとうに、100キロ?」色々な思いが頭の中をよぎります。

 フルもウルトラも走ってるから完歩できるんじゃないかなというちょっぴりの可能性と一昼夜歩き続けることへの大きな不安を抱えての挑戦でした。

 時間の経過とともに脚の疲労は痛みへと変わりリュックの重さで肩から背中も痛みます。45kmの備前中学校で日没になり、伊里漁協から閑谷学校、和気町の堤防の道、そこから磐梨中学校への約30kmの真っ暗な道は、前に行くまばらになった人のリュックの灯りだけを頼りに足を引きずりながら進みました。自分はいったいどこにいるのだろう?夜中なので家族からのラインメッセージもありません。辛くて長い、苦しい時間でした。山道はなおさらでした。曲がり角では前の人も見失います。

 でも、それをなんとか乗り切ることができたのは各エイドで案内してくれたり道の脇に立って誘導、応援してくれるボランティアスタッフの皆さんの存在でした。スタートからゴールまで本当にお世話になりました。途中出会った赤鬼さんと話をすることもでき、もらった缶バッジは御守りにしました。

 そんなたくさんの暖かさに触れ、夜明けと共に気持ちも晴々。最後の力を振り絞りゴールゲートをくぐることができました。

 スタッフの皆さん、チャレンジャーの皆さん、この大会に参加させていただいて本当にありがとうございました。今、清々しい思いでいっぱいです。

宮崎県 小川美智子

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